きいろいゾウ 西 加奈子

きいろいゾウ

きいろいゾウ

絶賛します。
ツマとムコさんという静かな夫婦の物語。
都会から田舎で暮らすことにした2人。
2人をとりまく近所の人が起こすドラマ。
子供のままのツマと、癒しきれていない自分でも忘れかけている傷を持つムコさん。
ムコさんのその傷の乗り越え方。それを受け止めるツマの寂しさ、愛情。
あたりまえのことがどれほど大切か。
きいろいゾウは誰の胸にもいます。

相手を思いやるばかりに言いたいことが言えない2人。
相手を思うばかりに相手がいなくなることばかり想像する2人。
でもしっかりドシーンとした繋がりが2人にはあって。
その 奥ゆかしさとか、静かな愛情に、ガーンとやられます。

反省。
言いたい放題の我が家では。

そういえば
結婚する時に私達夫婦は小さい約束をいっぱいした。
「ゴミはあなたが出してね」とかいうヌカヅケくさいことから
「結婚記念日には毎年花を植えよう」とかいう農民志向なことまで。
その中に
「相手がこれを言えば傷つくとわかっていることを、わざと言わない」とか
「夫婦でも言ってはいけない一線を超えない」とかもあったはずだ。

そういえば
「腹がたっていても相手が20回『ごめんなさい』を言えば許す」
とかいうのもあったな。

まず、私が言ってはいけない言葉を旦那君に放下し、旦那君はそれに応戦した。
後は もうボロボロ。
エスカレート。
傷は深し。

今になってその時は、あたりまえ。と思っていた小さい約束が
大事だったことに気づく。

反省。
今から1人でも守ろうか。
1人だけ守るなんて損だなぁ。なんて気持ちを一蹴して。

それから、この本に出てくるゴハンがとても美味しそうです。
私には料理本より良かった。
手帳にたくさんメモをしました。

朝ご飯。卵とちくわの煮物、厚揚げと小松菜の味噌汁、ほうじ茶。
晩ご飯。トマトの麻婆茄子、卵の味噌汁、セロリの漬物、冷奴。
晩ご飯。目板ガレイの煮物、ミョウガの味噌汁、大根とこんにゃくの田楽、柚子味噌。
朝ご飯。トマトと岩塩、エリンギとねぎの味噌汁、ザーサイ冷奴。
昼ご飯。かぶときのこのクリームシチュー。トースト。

・・・たまりません。