「ぶらんこ乗り」 いしい しんじ
- 作者: いしいしんじ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/07/28
- メディア: 文庫
- 購入: 20人 クリック: 600回
- この商品を含むブログ (251件) を見る
絶賛します!
久しぶりに泣いた一冊。
いなくなってしまった「天才少年」と呼ばれた弟のノートを
主人公が読む回想で物語は始まります。
あるキッカケで声を失ってしまった弟。
それ以来ノートに自作の物語を書くようになります。
子供だった主人公の女の子は、その話を笑って読むようになるけれど、
ある日を境に・・また、大人になって感じる弟の伝えたかったこと。
あまりにも何と説明していいのかわからないのだけれど、
弟が作る物語の数々は、どれも涙してしまいます。
ビックリするくらい残酷なのですが、どれもこれも
この世の本当のことを表していると思います。
何1つシンクロできない。
それなのに涙する本なんて初めてかも。
感想が書けないので
表題にもなった有名な一文をのっけます。
「わたしたちはずっと手をにぎってることはできませんのね」
「ぶらんこのりだからな」
だんなさんはからだをしならせながらいった。
「ずっとゆれているのがうんめいさ。
けどどうだい、すこしだけでもこうして」
と手をにぎり、またはなれながら
「おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、ほかでもない、
すてきなこととおもうんだよ。」
児童書・・という説明もありますが、
私は大人にだけ読んでもらいたい童話。