ハナとウミ 大道珠貴

ハナとウミ

ハナとウミ

主人公のハナとウミは母親が一緒で父親が違う兄弟。
母親に会いにでかけた沖縄で、2人は別々に大人になっていきます。
すごくフラフラして うへぇ。現代ッ子といいたくなる2人なんだけれど
それでも何となく応援したくなるのは この2人に芯のある兄弟愛みたいなものを
読み取れるから。
それがけっこう底をパリっと張っていて、こういうとこが人をまともで
いさせてくれるんだな。と思ったりします。

心に残ったのは おばぁちゃんがハナにした説教の一つ。

人はね、人生の中で1回はお金持ちになる時期がくるよ。お金持ちになったっていう錯覚なんだけれどね。その時期に、どうお金を使うかで、その人の先の人生も決まるね。
がっぽり入ったからってすぐ湯水のごとく使う人。せこせこ貯める人。人におごる人。金から金を生もうとする人。
〜省略〜
お金持ちの時期になったら、今だ、今、考え時なんだ。って立ち止まんなさい。
あんたのママみたいにつきあってる男の金も自分の金もごっちゃにして、適当に生きちゃだめよ。金に振り回される女は不幸なのにも気づかない。いつまでもココロが貧乏なまま、いい目も見ないで、死んでいくんだからね。

これはちょっと私の状況がタマタマあって心に響いた。
先日亡くなった祖母が私に少しお金を残してくれていた。
もちろんお金持ちになった。と錯覚するほどではないんだけれど。

同時期に義両親から借金の申し込みがあった。
私は本当に迷った。
これをそれに充てるべきなのかどうか。

私は義両親との接触を避け、旦那経由に全部していた。
でも、きっと今が考え時なんだな。
ちゃんと話を聞こう。
お金に振り回されないように。という言葉だけ根っこにパリンと張って。
そう思えた。

本自体はゆるゆると進む。
だけれど時々「あっ。そうか」と思うとこが出てきます。