王国 その3 秘密の花園

王国〈その3〉ひみつの花園

王国〈その3〉ひみつの花園

よしもとばなな 王国シリーズ

続き物?なので 登場人物の説明は割愛。
雫石が真一郎君と別れて1人の道を歩きます。
本の帯には
「自分が何に耐えられないのかを知りなさい。
落ち込んでいる時にだけ見える『良きこと』が
あなた自身を救うのだから。」

私があーそうなんだ。あーそうだったんだ。と思ったセリフ。
自ら悲しい決断を選んで、納得したはずなのに落ち込んでしまう雫石を見て
楓が言う一言。

あのね、人が出会うときにはどうして出会ったかっていう意味があって、
出会ったときに秘められていた約束っていうのが終わってしまうと、
もうどうやっても一緒にいられないんだよ。

あーそうなんだ。あーそうだったんだ。と思った。

私にはちょっと前まですごく好きな女友達がいて、
私は彼女をとても尊敬していて、一緒に暮らしたり働いたりしてみたいと
思っていたほどなんだけれど、
ある日 ふと違和感を覚えて、ドンドン離れていってしまった。
丁度同じ時期に彼女からの連絡も途絶え始め、
あぁ同じ気持ちなんだな。と私は思った。

それでも私はすごく悩んだ。
今、連絡をとれば元通りになるんじゃないだろうか。とか。
でも、元通りなんて事は絶対ないこともわかっていたし、
それを乗り越える程 お互いを必要とする何かも無かった。
私は彼女をすごく好きだったし、今でももちろん好きなのだけれど
会えば違和感を感じることがわかっていて
それがとても落ち込んだ。

昔読んだ雑誌に、「男に言われて納得した別れのセリフ特集」なるものがあって
それに、女の人が「別れても友達でいようね。」と言ったところ
「無理だ。僕達は生き方のスタイルが違う」と返答された。ということが載っていた。
ははぁ〜ん。と思ったことを覚えている。

私と彼女も 何かの方向が、一緒に寄り添えない程に変わってしまったのだね。

私と彼女も「出会った時に秘められていた約束」が終わった、その時が来たのだろう。
そう思えるくらい あれは充実した日々だったから。

そう思うと今まで少しの悲しさという気持ちで思い出してたりしたことが
何だか違ったんだな。と思った。
もう暗い気持ちで思い出したりしないと思う。

そしてまたいつかきっと会えると思う。
寄り添うような感じじゃなくって、幼馴染のような感じで。

そんなことを思った一冊。
全然 本と関係ないね・・・。